各話数登場ゲーム紹介

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スペースハリアー

凶悪な魔生物たちに占拠され、超自然現象に被われたドラゴンランドを救うべく、超能力戦士ハリアーがやってきた。森を抜け、遺跡を抜け、浮遊する巨大な双頭の龍と対峙し、一つ目のマンモスが生息する雪原を駆けぬける。プレイヤーは操縦桿を握りしめ、ボタンを押すことで発射されるキャノン砲で敵を撃墜していく。
各ステージには名前がついており、物語の終結する“ABSYMBEL”では、今までのステージを盛り上げてきたボスキャラクターたちが、バックに流れる曲名と共に続々と登場する。高速に展開する幻想的な世界での爽快感は、体感ゲームという新しい日本のアーケードゲームを生み出した。

ゲームセンターで遊ぶことが出来たスペースハリアーには、プレイヤーの操作に合わせ筐体がムービングするアトラクション風のローリングタイプと、本アニメで登場する小型だが動かないシットダウンタイプが存在した。オペレーターたちはロケーションの大きさや、販売価格を考慮しながら、営業するタイプを選んだ。
ローリングタイプは駅前などの大型店舗を中心に稼働し、町中のゲームセンターではシットダウンタイプが多かった。なかには50円で営業するゲームセンターもあり、人の目を気にせずじっくり遊びたい人は、シットダウンタイプのあるゲームセンターに遊びに行った。
コインを握りしめ、玄関から出た時からゲームの攻略は始まっている。パーソナルスペースにはないアーケードゲームだからこそ、伝わる楽しみの本質があったはずだ。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 Space Harrier
【操作】 アナログ8方向レバー 1ボタン(1人用)
【発売年月】 1985年12月 (Arcade)

http://archives.sega.jp/3d/harrier/index.shtml

©SEGA

エレベーターアクション

スパイである主人公はビルの最上階から侵入し、赤い扉の部屋に隠された機密書類を手に入れ、地下駐車場から脱出する。スパイはボタンを押すことにより拳銃とジャンプで攻撃を行うことができる。ビルの中は黒服たちがカードしており、高次元ステージでは、ほふく状態からの射撃を可能にする者まで現れる。
アクションはエレベーターを中心に行われるが、エスカレーターの中ではスパイも黒服もすれ違うだけでアクションは生まれない。
ビル中の照明器具を打ち落とすとまわりは真っ暗になり、黒服は闇に溶け込み見えづらくなる。

このエレベーターアクションは、スパイが機密書類を入手し脱出するという、いわば簡潔な目標を達成するアクションゲームだ。しかし数十階あるビルの最上階から地下駐車場への道のりは複雑なルートを生み出し、単純に下へ降りれば近道というわけではない。沢山の上下するエレベーターは、時には武器となり、時には路をふさぐ。高次元ステージにいるハイレベルな黒服たちとの攻防は激しく、決してパターン化による単純な攻略を許さない。連続する選択肢が生み出すこのゲームのアクション性は、ゲームセンターのみならず家庭用においても長期にわたり攻略される名作ゲームとなった。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 Elevator Action
【操作】 4方向レバー 2ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1983年(Arcade)

PS4 アーケードアーカイブス
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0571-CUSA03710_00-HAMPRDC000000001

Wii U
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000005324

©TAITO CORPORATION 1983 ALL RIGHTS RESERVED.

プーヤン

ONE DAY...IN THE FOREST... コイン投入後に小さな劇が始まり、ゲーム開始となる。ふだん優しくどこか可愛らしい母も、我が子のピンチとなれば“鬼神”となる。さらわれた子ブタの“プーヤン”を助けるために“ママ”はゴンドラに乗り弓を放つ。狼たちは風船に乗って移動し、着地すると直接ゴンドラを狙う。たまに現れる“肉”は落下の際に放物線を描き、レーザーのように貫通しながら敵を倒していく。ブタの住み家ステージでは、木の上から風船で下りてくる狼を一定数倒すとクリアとなる。続く狼の住み家ステージでは、地上から風船で上がってくる狼と最後に出てくるボス狼を倒すとクリアとなり、プーヤンと再会することができる。

“プーヤン”は固定画面の“箱庭型”と呼ばれたシューティングゲームである。絵本を読み解くようなコミカルな展開と、愛らしい動物のキャラクターは、大人だけではなく、子供たちにもゲームを遊びやすい存在にした。
このゲームが初めて稼働した1982年のゲームセンターは、1979年のインベーダーブームの時にあふれていた一過性のアーケードゲーマーも減り、しかもビデオゲームという遊びが拡大した“ファミコン”が販売される前だったことからも、何か独特な世界があったように思う。
どこか薄暗かったゲームセンターの中で、テーブル筐体に映る真っ青なブラウン管からの輝きは、モニターの中には別の世界が広がっているように見えた。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 POOYAN
【操作】 2方向レバー 1ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1982年10月 (Arcade)

WiiU バーチャルコンソール
https://www.konami.com/games/jp/ja/products/dl_wiiu_puuyan_vc/

©Konami Digital Entertainment

クレイジー・クライマー

“電車乗り換え案内”でお馴染みの株式会社ジョルダンが1980年に制作し、株式会社日本物産が販売を行ったアクションゲームである。現在は株式会社ハムスターが移植や販売を行っている。プレイヤーは2本のジョイスティックを右手左手で操り、200階におよぶ高層ビルの完登を目指す。

このゲームが稼働した1980年は、まだ表現に扱えるメモリが少なかっただけでなく、開発機材となるパソコンがあまりなかった。何も描かない真っ黒な画面に白い点を幾つか表示すれば星に見えることから、宇宙戦争をテーマにしたゲームが溢れていた。そんな時代に現れたあまりに奇抜で斬新なこのゲームは、アーケードゲームの本場であった米国でも日本が全く新しいゲームを生み出したと大絶賛された。

プレイヤーはビルの完登という自身の目標に向かって、ひたむきに頂上を目指す。それに対し自分よりも大きな存在のゴリラは道をふさぎ、ビルの住人たちは色々なモノを投げつけ邪魔をしてくる。かろやかな音楽にのって現れる風船は、助けてくれるがごとく自分を上昇させてくれるが、着地地点は分からない。ガンバレ!という自分に向けた応援は、言われた数だけボーナスから減額される。最後にそびえ立つ目標のビルは、ゴール間際で二股に分かれ、選択を誤れば回避出来ない看板の落下により不条理に蹴落される。この世の全てが理不尽であると思えてくるゲームの中で、本来直撃すれば即死する鉄アレイが最初の数段だけは防御できる。物語の開幕だけは目には見えない何者かが守ってくれていたのだと後から気づく。クレイジークライマーは人生。そんな事を言いたくなる何かが、この黎明期のゲームにはある気がする。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 CRAZY CLIMBER
【操作】 8方向レバー x2(1~2人用)
【発売年月】 1980年11月 (Arcade)

アーケードアーカイブス
http://www.hamster.co.jp/arcadearchives/

©HAMSTER Co.

ストリートファイター (デラックス筐体版)

天才格闘家の隆(リュウ)と、ライバルの拳(ケン)は、世界中の強敵たちと戦うべくストリートファイトの旅へ出発する。推奨される設定により初期は2つの国、後期は4つの国から開始ステージが選べ、スポーツとは違う格闘技の世界をきらびやかなサウンドとボイスで盛り立ててくれる。ゲーム表現においてボーナス面の存在も新しかった。
“体感ゲーム”というムーブメントが表れはじめた1980年代半ばのゲームセンター。ボタンを押す強さにより威力が変わる、つまりプレイヤーの力が攻撃の威力となる仕様はゲームファンをときめかせた。ポンプから排出されるエアを空圧センサーが受け、アナログデジタルコンバーターが数値化する。それはゲームセンターで歴史のある“もぐら叩きゲーム”とも違うエアを使った機構であった。

必殺技は3つあるとされるが出し方は謎とされ、ネットもなく口コミを中心とした時代のプレイヤーは自らが編み出さなければならず、完全なやり方が伝わるまでやや時間がかかった。
圧倒的な強さで立ちふさがるムエタイ使い“アドン”。プレイヤーたちに絶望感が表れ始める中、自分の頭上より高い位置から振り上げられる“ジャガーキック”という技に対し“対空技”という研究が始まっていった。このデラックス筐体のアップライト版“ストリートファイター”は、のちに普及したテーブル6ボタン版とは必殺技の当たり判定が違い難易度も高い。アドン戦における対空技は“昇竜拳”より“竜巻旋風脚”かもしれないと議論がされていった。

この“ストリートファイター”の筐体はアメリカでデザインされ、当時のゲーム筐体では見かけなかった丸みをおびた美しい筐体になっている。初期と後期のロットで筐体の色やアートワークが異なり、本アニメでは日本国内で一番多く稼働した後期版の筐体を採用している。大きなボタンの違いを分かりやすくするために、後期版ではパンチが赤、キックが青とボタンの配色も変更されている。
この大きなボタンに対し、最初のうちは肘でボタンを打つという操作が多く見受けられたが、肘を打つ時にシビレが起こることもあり、より精度の高い操作をするために手のひらで押し込むというプレイスタイルに落ち着いていった。
少子化の現代と違い1980年代のゲームセンターは小学生も沢山遊びに来ており、この大きなボタンに対して、台に乗って足で押そうとする子供も現れた。その為“台に乗らないでください”と紙を筐体に貼るゲームセンターも現れる。ゲームセンターの事務所にまだパソコンやプリンターが設置されていなかった時代であることから、貼り紙はどれも太いマジックによる手書きで簡素なものだったが、多くのゲームセンターのオペレーターたちは危険な行為に対し警告を行い、マナー違反を減らしていった。現代の“台パン”などのないゲームセンターの姿は、安全で楽しみやすい空間を目指したオペレーターたちが築いてきた成果である。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 Street Fighter
【操作】 8方向レバー 空圧式2ボタン(1~2人用・同時プレイ可能)
【発売年月】 1986年11月 (Arcade)

10/25発売、「ストリートファイター30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」収録タイトル
http://www.capcom.co.jp/sf30ac/

©CAPCOM U.S.A., INC. ALL RIGHTS RESERVED.

スペースインベーダー

今年で40周年となるメモリアルな本作品は、レバーで砲台を左右に操作し、上空に現れたインベーダーを撃墜していく固定画面のシューティングゲームだ。プレイヤーが操作する砲台は、敵キャラクターであるインベーダーからの砲撃を受けると破壊される。またどんなに砲台の残数があっても、最下段に到達されると“侵略”となりゲームは終了となる。
このゲームが新製品として稼働したゲームセンターに貼られたポスターには、「ディスコスペースインベーダー」というキャッチとロックなイラストが描かれ、インベーダーを破壊するたびに奏でられるサウンドは、ゲームセンターという“空間”自体のミュージックとなった。

大阪万博開催に沸く日本において、大迫力のスクリーンや音響でプレイヤーを魅了した“スカイファイター(1970年)”、小型化しオペレーターたちの扱い易さすら考慮した“スカイファイター2(1971年)。ビデオゲームの時代になってからも早々に日本の名を世界に知らしめた“スピードレース(1974年)”。ゲームセンターがまだ娯楽場と言われることが多かった時代から多くの人々に笑顔を与え、アナログ回路とデジタル回路の両方の娯楽マシンの具現化と可能性を拡大した制作者はエンジニアであると同時に、オペレーターやロケーションという現場も知る一流のクリエイターである。数年の時を経て生み出された“スペースインベーダー(1978年)”が大きなムーブメントを生み出すのは、偶発的なものではなく必然であったように思える。

ゲームセンターで“スペースインベーダー”と出会った当時のプレイヤーたちは、敵軍の“UFO”のもつ“ミステリーボーナス”の規則性を砲台のショット数から導きだし、本来ならバグとされる開発者が意図しなかった現象“名古屋撃ち”や“レインボー”なども新たなる“遊び”に変えていった。書店では攻略本も販売されゲーム大会なども開催された。“スピードレース”の時代から存在するハイスコアランキングは、続編である“スペースインベーダーパートⅡ(1979年)”からプレイヤーの“ネームを刻む”という現代に続く伝統も生み出す。

かつて世界が経験したことのなかったこのゲームビジネスにおける成功は、著作権に関する考えの強化、ゲーム基板の量産方法、半導体クリエイターの育成、治安に関する問題の提示、ゲームセンターのフランチャイズ化、集金方法の効率化、市場価格の下がったゲーム基板の駄菓子屋や玩具店への投入などロケーションの拡大、さまざまな成果と課題を生むことになる。
日本のゲームセンターに現れた“5段11列・計55の侵略者たち”は、約一年の月日をかけ、遊びの産業におけるありとあらゆるモノの基礎概念を変えてしまった。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 Space Invaders
【操作】 2方向レバー 1ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1978年 (Arcade)

スマートフォン、Facebook「インスタントゲーム」
https://www.taito.co.jp/mob/item/0000030019

PS Vita
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0305-NPJJ00206_00-0000000000000001

Wii U
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000014547

©TAITO CORPORATION 1978 ALL RIGHTS RESERVED.

源平討魔伝

【英語タイトル】 The Genji and the Heike Clans
【操作】 8方向レバー 2ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1986年10月 (Arcade)

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

奇々怪界

“奇妙にして愛らしく、爽快にして悩めし、遊戯成り”。純和風のキャッチコピーで販売されたこのゲームの主人公“小夜ちゃん”は、御札や御払い棒を使用し、色々な妖怪(オバケ)を倒しながら囚われの“七福神”を救いに行く。

自力スクロール型のシューティングゲームであり、ボス戦における各種安全地帯の存在、スコアの桁調整で取得できる隠しアイテム、井戸ザコでの速攻パワーアップなど、可愛いだけじゃなく、ゲームマニアも唸らせる内容になっている。なによりタイトーサウンドチーム“ZUNTATA”出身のコンポーザー“OGR氏”によるキャッチャーかつ重厚なBGMが独自の世界観を確立した。
可愛らしい巫女さんがこれまた可愛らしい妖怪達と戦うこのゲームは当時とても人気が高く、稼働翌年の1987年には、ディスクシステム版の『奇々怪界 -怒濤編-』CMソングのアナログレコードも販売されたりと、メディアを超えた展開も見せた。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 KiKi KaiKai
【操作】 8方向レバー 2ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1986年(Arcade)

PS4 アーケードアーカイブス
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0571-CUSA03709_00-HAMPRDC000000001

©TAITO CORPORATION 1990 ALL RIGHTS RESERVED.
イラスト:TONG KING SHOW

PC原人

“PC原人”は頭突きにより飛翔する。石頭の主人公を操作し、悪の大王“キングタマゴドンⅢ世”を倒すための冒険が始まる。雑誌“月刊PCエンジン”に連載されていた4コマ漫画を原作にしたライフ制のアクションゲームであり、日本人にしか描けないような数々のボスが登場する。恐竜など原始時代をイメージしたキャラクターは子供たちに人気のあるテーマであった。
類を見ないアクション性は大ヒットとなり、PCエンジンの顔となったこの“PC原人”は、任天堂ハードにおける“マリオ”、セガハードにおける“ソニック”のように海外のゲームファンにも支持されシリーズ化されている。ゲームセンターでの稼働も検討され、ロケテストも行われた。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 Bonk's Adventure
【操作】 方向キー 2ボタン(1人用)
【発売年月】 1989年12月 (PC-Engine)

WiiU バーチャルコンソール版
https://www.konami.com/games/jp/ja/products/dl_wiiu_pcgenjin_vc/

ゲームアーカイブス版
https://www.konami.com/games/jp/ja/products/dl_pspps3vita_pcgenjin_arch/

©Konami Digital Entertainment
©RED

獣王記

道中に存在するアイテム取得でビルドアップ、最後は獣人へ! それぞれ特殊能力を持つ獣人はドラゴンやウルフ、正面から見ると真顔に見えるクマだ。よくある従来型の横スクロールアクションに見えるが、実は強制スクロール型のゲーム。“獣王記”は甘えのないゲームである。美少女キャラはいない、回復アイテムがない、ステージクリアで回復もない、残機も増えない。しかしながら耐えて耐えて獣人化すれば無双しまくれる快感がまっている。その心地よさは、アメリカでは大ヒットとなり、映画“シュガーラッシュ”に本作のラスボスが登場するほどの人気となった。ゲームセンターでは高難度のゲームであったが、のちに発売された家庭用は見た目の美しさこそ同じだが、攻撃の戻りのモーションがないので自機が強くて遊びやすかった。簡単な家庭用で練習し、ゲームセンターで更なる高みに挑戦する楽しさも生んだ。エンディングが実は映画の撮影だったというオチは、日本のゲームセンターにおいてアメリカンコミックを読むようなセンスを感じた。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 Altered Beast
【操作】 8方向レバー 2ボタン(1~2人用・同時プレイ可能)
【発売年月】 1988年6月 (Arcade)

http://archives.sega.jp/3d/juouki/index.shtml

©SEGA

ワンダーモモ

【英語タイトル】 Wonder MoMo
【操作】 8方向レバー 2ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1987年2月 (Arcade)

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

ビジランテ

自らの手で街を守る自警団“ビジランテ”は、暗黒街に消えた“マドンナ”を救い出すために警察もお手上げの“ローグス団”に立ち向かう。
ゲームの舞台は1988年のニューヨーク。稼働を開始した年と同じく1988年であり、今という時代を戦うこととなった。
このゲームは根強いファンの多い“スパルタンX”の流れを組むアクションゲームである。ボタン操作によるパンチとキック、時にはヌンチャクを使用し、ギャングたちを蹴散らして進んでいく。

エリア2を守るボスキャラ“マッドブラザーズ”は、それまでアクションゲームの定番であった1体1のタイマン勝負ではなく、2人がかりで攻撃を仕掛けてくる。またボスが時間により体力を回復していく仕様など、アーケードらしい高難易度のゲームである。なによりスコアランキングにネームを刻みたいプレイヤーにとっては、デフォルトに入っているランキング1位のスコアの高さに向き合うメンタルが必要でなった。
アイレムの“ドット絵”による描写力は非常に高く、当時の家庭用ハードウェアで移植を可能にするのは“PCエンジン”ぐらいであった。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 Vigilante
【操作】 4方向レバー 2ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1988年3月 (Arcade)

©IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.

R-TYPE

それは悪によって歪められた異次元空間より始まった。我々は戦闘機“Rー9”を操作し、憎悪と殺戮が支配する“バイト帝国”を打ち砕く。
ボタンを長押しすることでエネルギーをチャージする“波動砲”。脱着できる完全無敵の“フォース”。過去のゲームにはない新機能を操りながら全8ステージにわたる戦闘を行う。
バイオメカノイド、バイオメカニカルなキャラクターデザインはもちろん、超巨大戦艦が序盤から登場する演出や、パイロットたちのもつ陰惨な設定など、国内のゲームファンはもちろん、ヨーロッパを中心としたビデオゲームファンたちにも、日本の国技ともいえるシューティングゲーム制作の技術力の高さを見せつけた。

この“R-TYPE”は稼働開始から20年以上、ゲームセンターで攻略が行われハイスコアが更新されていったゲームである。それはゲームの攻略のみならず、ゲーム筐体における“連射装置回路”の制作や改良など、さまざまな研究があったことを意味する。
この大作である“R-TYPE”の移植に対し、“PCエンジン版”は移植の精度を高める為にあえてゲームを2分割して開発販売している。この妥協しない移植スタイルにアーケードゲームが好きだったプレイヤーたちは“PCエンジン”に魅了されていった。

エンディングでどこからともなく集まる“Rー9”たちは、別の次元で別の戦いを繰り広げてきたのだろう。人々には各々の物語があり、それは見ることは出来ないけれど、人々が集まるゲームセンターという空間と、何かかぶるような気がした。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 R-TYPE
【操作】 8方向レバー 2ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1987年7月 (Arcade)

©Konami Digital Entertainment
©IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.

妖怪道中記

【英語タイトル】 Yokai Dochuki
【操作】 8方向レバー 2ボタン(1~2人用)
【発売年月】 1987年4月 (Arcade)

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

THE 功夫

主人公はクンフーの達人となり“中国功夫”を脅かす“暗黒大帝”を打ち倒す。素晴らしい音楽をバックに障害物が飛び交う道中を進み、“デカキャラ”同士でボス戦を行うカンフーアクションゲーム。鍛え抜かれた主人公の身体は、槍で突かれても扇で叩かれてもダメージは同じだ。空を舞うウーロン茶は、そのシュールな姿を破壊することでパワーを回復できる。必殺技は己の体力と引き換えで発動する。失うことで大きな成果を出す必殺技だ。道中でダメージを抑え、ボス戦に備えるという緊張感ある攻略が楽い。

新ハード“PCエンジン”用ソフト第一弾として発表されたこのゲームは、テレビコマーシャルでも発売日の告知があったものの、実際にはそれより一ヵ月ほど発売が延長された。焦らされながらも結果として期待を裏切らない完成度となった本作は、むしろ既存のハードにはない“PCエンジン”のパワーの印象を深めた。アーケードゲームのようでありながら、ゲームセンターでは遊べないオリジナルゲームであることも嬉しく、80年代特有の“デカキャラ”という言葉がゲーム業界にあふれた。
(ゲーム解説:石黒憲一)

【英語タイトル】 China Warrior
【操作】 方向キー 2ボタン(1人用)
【発売年月】 1987年11月 (PC-Engine)

WiiU バーチャルコンソール版
https://www.konami.com/games/jp/ja/products/dl_wiiu_kungfu_vc/

ニンテンドー3DS バーチャルコンソール版
https://www.konami.com/games/jp/ja/products/dl_3ds_kungfu_vc/

ゲームアーカイブス版
https://www.konami.com/games/jp/ja/products/dl_pspps3vita_kungfu_arch/

©Konami Digital Entertainment

90'S ARCADE LOVE COMEDY

HI SCORE GIRL II

2019.10 ON AIR